幼い頃から抱える難聴の悩み
私は幼い頃から右耳が聞こえない難聴を抱えています。耳の神経がなく、聴力検査でも全く聞こえません。幸いにも左耳は聞こえるので、日常生活に大きな支障はありませんが、それでも大変なことがいくつかあります。
- 右側から話しかけられると反応しにくい
- 人混みだと会話しにくい
- うるさい居酒屋だと、前の人の声が聞こえにくい
- 右にいる人から耳打ちされると、わざわざ左耳を差し出す
- 「え?」と聞き返すことが多い
こうした状況は意外に多く、毎日の生活の中で苦労する場面が少なくありません。
誰にも話せなかった難聴のこと
このような経験は、「患者本人」にしか分からないものです。健常者に話しても「なんとなくの共感」はしてもらえますが、真に理解されることは難しいと感じてきました。なぜなら、相手は両耳が聞こえる健常者であり、自分と同じ立場に立つことができないからです。
そのため、自分が難聴であることは家族しか知りません。他の人に話しても意味がないと思い、ずっと心の中にしまってきました。
医師に相談しても、通り一辺倒なアドバイスしか得られませんでした。
- 「イヤホンで音楽は聞かないように」
- 「テレビの音は小さく」
- 「定期的に検査してね」
当たり前のことばかりで、実際の生活での苦労や心の悩みを解消してくれるわけではありませんでした。真に理解してくれる人は誰もいないと思っていました。
患者さんとの出会いが生んだ「うちあけ話」
そんな時、片耳が聞こえない患者さんと出会う機会がありました。その方は、生まれつきではなく、日常生活の中で徐々に聴力を失い、片耳が聞こえなくなったそうです。
最初は普通の薬剤師と患者さんの会話をしていましたが、ふとした瞬間、その患者さんが「実は難聴もあって、耳が聞こえにくいんですよね」と話されました。その方も、人混みや大人数での会話が苦手で、聞き返すことが多いと困っていると言いました。
その時、私は初めて難聴の患者さんに会い、自分自身も思わず「自分もなんです、生まれつき片耳が聞こえなくて」と話していました。これまで誰にも話してこなかったことを、その患者さんに「うちあけた」のです。
共感が生む安心感
その瞬間、同じ境遇、同じ悩みを持つ人にだけ伝わる特別な安心感を感じました。「この人なら分かってくれる」と思えたからこそ、私は自然と自分の話をすることができました。
同じ苦労をしている人がいるというだけで、心が軽くなり、「一人じゃないんだ」という気持ちになりました。この体験は私にとって大きな転機となり、「同じ病気や悩みを持つ人が安心してうちあけ話をできる場所があれば」と考えるきっかけになりました。
「うちあけ」の誕生
この原体験から生まれたのが「うちあけ」というサービスです。
「うちあけ」は、同じ境遇、同じ病気で苦労している人たちが集まり、「実は自分もなんだよね」と安心して話をする場所です。もちろん、うちあけ話をしたからといって病気が治るわけではありません。しかし、うちあけ話をすることで、「自分と同じように頑張っている人がいる」「同じような苦労をしている人がいる」と知るだけで、心が軽くなり、前向きになれることがあります。
病気や健康の悩みを抱える人たちへ
「うちあけ」では、この体験を他の疾患を持つ人たちにも体験してほしいと思っています。病気や健康の悩みを抱えるすべての人が、安心して自分の思いを共有できるコミュニティを目指して、このサービスを運営しています。
「うちあけ」は、ただの情報共有の場ではなく、共感やつながりを通じて心が軽くなるような体験を提供します。病気や悩みを抱える人が、自分の声を安心して届けられる場所、それが「うちあけ」です。
まとめ
「うちあけ」は、同じ病気や悩みを持つ人々が集まり、安心して自分の思いを共有し合える場所です。「話すだけで気持ちが軽くなる」「共感を得るだけで前向きになれる」――そんな経験を、もっと多くの人に提供したいと考えています。
あなたも「うちあけ」で、自分の思いを共有し、仲間とつながる新しい一歩を踏み出してみませんか?




コメントを残す