患者インサイトとは、患者の表面的な属性や行動データ以外に感情や価値観、思い、行動した動機などを深く理解することを指します。医療マーケティングを行うにあたって患者インサイトを把握することで、患者中心の医療サービスを提供できるようになります。また、結果的に、患者の医療機関に対する信頼や医療の質を高めることも可能です。本記事では、患者インサイトの本質や重要性、把握するためのポイントなどを解説していきます。
患者インサイトとは?もたらす効果と把握するポイント

患者インサイトは、顕在していないため患者本人もわかっていない思いや心の動きのことです。そのため、患者や家族に直接聞いてもわからない可能性が十分にあります。そんな患者インサイトを把握することで、次の効果が期待できます。
- 患者満足度の向上
- 効果的なマーケティング
- 医療の質の向上
患者満足度の向上
患者インサイトを深く理解した上で情報に基づいた医療サービスを提供することで、患者の満足度向上に直結します。表面的なデータだけでなく、患者が求めていることやどのような考えを持っているかを把握することで画一的なサービスではなく、一人ひとりのニーズに合ったきめ細やかな医療を提供できるようになります。
例えば、診察までの待ち時間が不満であるというインサイトが得られれば、待ち時間中の情報提供や予約システムの改善などを実施することが可能です。また治療内容が不明確であれば、分かりやすい資料を作成し、丁寧な説明を行うといった対応ができます。
患者さんの不安や期待を汲み取り応えることによって、それに応えることで、患者さんにとって必要な医療を提供してくれていると実感してもらえるようになります。その結果、医療機関への満足度や信頼感を高められるでしょう。
効果的なマーケティング
患者インサイトによって、従来の画一的なマーケティング手法と比べて患者が本当に求めている情報を入手しやすくなります。そのため、ターゲットとなる患者層に対して効果的にアプローチが可能です。
また、ターゲットが特定の疾患について情報を求めている患者であれば、適切な治療法や専門的な情報、同じ悩みを持つ患者の体験談などをWebサイトやSNSなどで発信することで、関心を持つ患者の来院を促せます。情報過多な現代において、患者インサイトへの取り組みによって本当にニーズのある情報を提供でき、最終的に医療機関への信頼と来院につなげられます。
医療の質の向上
患者インサイトによるデータを医療サービスに活かすことで、医療の質を向上することが可能です。患者が自身の症状や治療過程で感じることや求めていることを深く理解することで、一人ひとりに合った、より適切な医療を提供できるようになります。
例えば、治療の過程で精神的に安定しない患者に対しては、途中でカウンセリングを導入したり、同じ疾患を持つ患者同士で交流の場を設けたりできるでしょう。患者の意見や思いを真摯に受け止め日々の診療に活かし続けることで、医療サービスの改善サイクルが生まれます。
患者インサイトの把握からペイシェントジャーニー作成までの手順

患者インサイトを把握したら終わりではなく、分析したうえでペイシェントジャーニー作成まで行うことが一般的です。患者一人ひとりが医療機関を見つけて受診し治療を続ける間に、それぞれの工程で体験した感情や行動、思考などを可視化したツールです。
多様なデータから情報を収集する
患者インサイトを得るためにはアンケート調査やインタビュー調査の他にSNS、診療記録など様々なデータから患者の行動や感情、ニーズに関連する情報を抽出していきます。また、集めたデータをもとに相互に関連付けながら分析を行い、患者の深層心理や行動の動機などを把握する必要があります。ホームページのある医療機関であれば、アクセスログ解析をすることも可能です。患者がWebサイトのどの部分を頻繁に閲覧しているかを把握することで、具体的なニーズをつかみやすくなります。
収集したデータ(インサイト)を分析する
収集したデータは、種類ごとに適切な分析をすることが大切です。例えば、医療機関内でのアンケート調査やカルテに書かれている治療経過や結果は、自由記述形式の回答が多く含まれるため、テキストマイニングツールを使うと効果的です。 テキストマイニングツールとは、自然言語処理で解析することで重要な情報を抽出します。アンケートは記述形式の回答が多いことから、定性データの分析に長けているテキストマイニングツールの活用が向いています。
また、インタビューデータがある場合は、音声データをテキスト化できる音声マイニングの活用が有効的です。ただ文字にするだけでなく、図や表、グラフなどを交えてわかりやすくしてくれます。主に、コールセンター業務の効率化や応対品質の向上を目的として導入されています。
ペイシェントジャーニーを作成する
患者インサイトで得たデータを基に具体的な患者像であるペルソナを設定していきます。ペルソナを設定することでターゲットとなる患者層のニーズや課題、行動内容などを具体的にイメージしやすくなります。 ペルソナを設定したら患者が医療サービスを見つけて治療を行った後の体験までのプロセスを可視化したペイシェントジャーニーを作成します。ペイシェントジャーニーを活用することで、患者1人がどのようなサポートや情報を求めているのか理解しやすくなります。

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患者インサイトを把握するためのポイント

患者インサイトを把握するためには、次のポイントが重要になります。
- プライバシー保護の徹底
- 患者に対する信頼関係の構築
プライバシー保護の徹底
患者インサイトを活用するにあたり、患者さんの個人情報や診療内容などの適切な管理が求められます。個人情報の漏洩や不適切な利用は、患者さんとの信頼関係を損なうだけでなく、社会的信用も失墜させることになるので注意が必要です。患者インサイトには患者の本当の思いや不安などデリケートな情報が多く含まれている点が特徴です。
そのため、従来の基本情報や治療内容、検査結果などに加えて厳重に管理しなければいけません。経営者だけでなく医師、看護師、また職員一人ひとりが患者のプライバシー保護を最優先に考えることが重要です。
患者に対する信頼関係の構築
患者が医療機関に本当の思いや不安などを打ち明けるには、患者と医療機関との間で強い信頼関係が求められます。医療従事者や関係者が、患者さん一人ひとりやご家族の不安や疑問に真摯に耳を傾け、患者の意向や価値観を尊重した上で共に治療方針を決定していく姿勢が大切です。
さらに、患者さんの小さな変化も見逃さず励ましや共感の言葉をかけたり、清潔で快適な療養環境や充実したサポートを提供したりするなどの取り組みが、患者との信頼関係を構築するきっかけとなります。信頼関係を高めてこそ、患者の本当の思いやニーズをつかむことにつながります。
メディキャンパスのうちあけ

メディキャンパスは、患者や病気を経験している方、患者の家族から「うちあけ」といった形で体験談を集めている企業です。普段思っていることや不安などを集めたうちあけは約2,500になりました。
患者同士で交流ができるほか、医療機関にとっても患者の声を収集できるので双方にメリットがあると考えています。 患者インサイトの収集にお困りの場合はぜひ当社までお声がけください。https://medi-canvas.com/contact/
まとめ

患者インサイトとは、本人も認識していないような潜在的な思いや感情などのことです。患者インサイトを把握したうえでペイシェントジャーニー作成に取り組む必要があります。 日本は長年医療側が主導したサービスを提供していましたが、今後は患者の視点に立つことでより患者との信頼関係を構築できるようになります。そのため、医療の質を高めたり患者満足度を高めたりするためには、患者インサイトの把握が必要不可欠です。
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